【4月26日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、チェルシー(Chelsea)の元監督であるアブラハム・グラント(Avram Grant)氏が、同チームの欧州チャンピオンズリーグ2011-12(UEFA Champions League 2011-12)決勝進出を受け、ロベルト・ディ・マッテオ(Roberto Di Matteo)暫定監督を正式な指揮官に就任させるべきだと語った。

 チェルシーでかつてミッドフィールダー(MF)としてプレーいたディ・マッテオ監督が今年3月に成績不振を理由に解任されたアンドレ・ビラス・ボアス(Andre Villas-Boas)氏に代わって暫定監督をに就任して以来、チェルシーは見事に好転し復調しており、欧州チャンピオンズリーグ2011-12準決勝では予想を覆してFCバルセロナ(FC Barcelona)に2試合合計3-2と勝利し、クラブを決勝へ導いた。

 英国放送協会ラジオ5ライブ(BBC Radio 5 Live)に対してグラント氏は、ディ・マッテオ監督の続投を推し、「チームをうまく動かしているロベルトは少なくともあと1年は指揮を執るに値する。このチームを決勝に導くなんて信じられない」と話した。

 しかし同時にグラント氏は、ロシアの億万長者でチェルシーのオーナーであるロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏の次なる判断は予想できないと話し、「アブラモビッチは時々変わった考え方をする。私はチェルシーを初の欧州チャンピオンズリーグ決勝に導き、プレミアリーグでも強豪を倒す素晴らしいサッカーをしていた。それでも、続投させないという決定をしたからね」とコメントした。

 イスラエル人のグラント氏は、チェルシーを率いたチャンピオンズリーグ2007-08(UEFA Champions League 2007-08)決勝でマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)にPK戦で敗れ準優勝に終わった直後、アブラモビッチ氏から解任を言い渡された。その後ポーツマス(Portsmouth FC)やウェストハム(West Ham%)を経て、現在はセルビア・スーペルリーガ(1部)のパルチザン・ベオグラード(Partizan Belgrade)で監督を務めている。

 グラント氏は「今回、アブラモビッチはチームが上り調子であることを見てきているから、ディ・マッテオには続投の可能性はある。監督からすればバルセロナを相手にすることが最も困難なことで、今シーズン調子の悪かったチェルシーにとってはなおさらだ。それでも、準決勝の2試合でディ・マッテオはうまくやった。チェルシーの弱みとはなにか?チェルシーは今シーズン不調だったから、彼は強みであるベテラン選手を生かした戦術でバルセロナに立ち向かったんだ」と話した。

 また、「周知のことだが、彼の夢はチャンピオンズリーグ制覇だ。イングランド内でチャンピオンになるのもいいが、欧州で認められることが最も大事だ。欧州で大きいタイトルと言ったらチャンピオンズリーグだが、アブラモビッチが会長を務めてきた間、多額のお金を費やしたにも関わらずそのチャンピオンズリーグで決勝進出が1度しかないのは良いとは言えない」と語り、「2回目の今回こそは彼に優勝を味わってもらいものだ」と締めくくった。(c)AFP