【4月26日 Relaxnews】高齢者の安全運転を支援する、通称「高齢者カーナビ」を英国の研究者たちが開発している。

 このハイテクなカーナビは高齢者にとって最も安全なルートを割り出すなど、従来の衛星ナビゲーション・システムをさらにシニア向けに工夫した機能が搭載されている。

 現在はまだ英ニューカッスル大学(University of Newcastle)の実験室レベルだが、将来は自動車の付属品や単体のナビとして大々的に普及するかもしれない。

 これまでの研究で、高齢ドライバーが遭遇する大きな問題だということが分かっている2点を克服するためにアイデアを発展させた。ひとつは運転に対する自信がなくなること。もうひとつは近づいて来る車や標識類が見えないのではないかという、視力への不安だ。

 これらの問題に対処するために、研究者たちは衛星ナビゲーションが有効だと考えている。例えば進行方向の告げ方も「100メートル先を右に曲がってください」よりも、郵便局や電話ボックスといった身近な物を目印にするといったことにもナビが役立つ。また対向車のスピードを判断しなければならず、高齢者が難しいと感じがちな右折を避けるルートを提案することもできる。

 現在、自動車大手各社が導入している衝突警告システムを応用し、リスクが最も少ない車線移動のタイミングを告げることもできると研究者は考えている。また夜間の視界コントロールやスピード・コントロールといった機能についても、高齢者の運転支援への応用を模索している。

 プロジェクトリーダーの同大フィル・ブライス(Phil Blythe)教授は「多くの高齢者、特に単身で暮らしていたり地方部に住んでいる高齢者にとって、好きな時に外出し、他人に頼らずに済む車は、自立を保つために不可欠」だと語る。

 一方で「私たちは全員、歳をとれば反応が遅くなることを受け入れなければならないが、そのために面倒な可能性のある走行条件を避け、運転技術に対する自信の喪失にもつながる。結果、実際に必要が生じるずっと前に運転を止めてしまう」と言う。

 同教授は「私たちが考えているのは、安全により長く運転を続けるための方法。それが転じて自立度を高め、社会とのつながりを保持することになる」と述べた。(c)Relaxnews/AFPBB News