【4月25日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は24日、5月7日の大統領就任後に与党・統一ロシア(United Russia)の党首を辞任する意向を表明した。新しい党首には、次期首相になるドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領を推薦した。

 プーチン氏が約10年前に結党した統一ロシアは、同氏が大統領を務めた2000~08年にはロシア政界で支配的な力を振るったが、 その後人気が落ち、最近は汚職などで批判を受け、同党に抗議するデモも起きている。

 統一ロシアはこの4年間、議会で3分の2の議席を持ち、ロシア全土の多くの地方議会で多数を握ってきたため、外部からの批判の影響は受けなかった。政府が提出した法案を特に議論することなく成立させ、複数政党制よりもプーチン氏流の中央管理型の国を実現させることを誇りとしていた。

 しかし、副業を隠そうともせずにぜいたくな生活を楽しみ、選挙で選ばれてもいない官僚が多数を占める同党に対する有権者の幻滅は強まっていた。

 プーチン氏は前年12月、社会運動組織「全ロシア人民戦線(All-Russia People's Front)」を結成し、統一ロシアから距離を置き始めた。プーチン氏は、統一ロシアは「中道・保守の政治勢力」であり続け、メドベージェフ氏が率いることになる内閣と密接に協力していくと述べた。

 しかし、これに先立って同日午後クレムリン(Kremlin)で行われた会議で演説したメドベージェフ大統領は、「市民と経済の自由を発展させることが私の第1の目標だ」と述べ、国民の意見をよりよく反映する新しい政党を作る動きへの支持を表明し、プーチン氏とは異なる、はるかにリベラルな姿勢を示した。この演説は全国に生放送された。(c)AFP/Dmitry Zaks