【4月5日 AFP】米ロサンゼルス(Los Angeles)郡検視局は4日、2月に急死した米歌手ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)さんの検視結果の最終報告書を発表し、ヒューストンさんが麻薬、処方薬、市販薬、アルコールを過剰摂取していた可能性があることを明らかにした。事件性はなかったとしている。

 同検視局は前月、ヒューストンさんはコカイン使用後に心臓発作を起こしたためとみられる不慮の溺死だったとする一時報告を出していた。

■ヒューストンさん発見時

 今回発表された42ページにわたる報告書には、一時報告では示されなかった検死結果の詳細が記載され、アシスタントがヒューストンさんを発見した状況も明らかになった。「パーソナルアシスタントが浴室に入り、浴槽にうつぶせ状態のヒューストンさんを発見。反応はなかった。(一部省略)浴槽は水で満たされており、浴室の床にもあふれていた」という。

 また、ヒューストンさんが「鼻から出血していた」ことも記されている。

 さらに生々しい報告が続く。捜査官が現場に到着した時は、ヒューストンさんは浴槽から運び出され、寝室の床に寝かせられていた。浴槽から溢れた水で寝室のカーペットも濡れていたという。蘇生措置が既に取られていたとみられる。「浴室の床には水が溢れ、リビングルームのカーペットも濡れた部分が多く、ヒューストンさんの遺体が置かれた場所まで濡れた状態が続いていた」

 ヒューストンさんは裸で、リビングルームの床に仰向けに寝かされていた。胸の右上部と胴の左中部には除細動器のパッドが付けられていたという。

■遺体の状態

 ヒューストンさんの顔には、額の左側に2か所、鼻梁の左側に1か所、擦り傷があった。さらに体のあちこちに「表皮剥離」が見られ、「左肘の内側に古い刺し傷とみられるもの」があったが、総合的には「体つきがよく、筋肉もあり、栄養状態も非常に良かった」。左右対照の豊胸バッグの外形も識別できたという。 

 検視の過程についても詳細が示された。首の器官は舌と一緒にまとめて取り除かれ、乳房組織は切開されたが異常はみられなかったようだ。また、気道上部には相当量の泡があったという。

■室内

 検視結果は、ヒューストンさんが見つかったビバリーヒルトン(Beverly Hilton)ホテルの室内の状態も 詳述していて、それによれば寝室からは後にコカインと断定される物質が見つかった。

「カウンターの南側に、結晶のような物質が乗った小さなスプーンと丸めた状態の白い紙が、その他のものと一緒に置かれていた」

「カウンターの北側の一番上の引き出しには白い粉末があり、下には手鏡があった」

 また、室内には全部で12本ほどの薬物が入った瓶が見つかったという。(c)AFP

【関連記事】ホイットニーさんの死因は溺死とコカイン、米検視局