【4月5日 AFP】フィリピンの首都マニラ(Manila)南部で3月末、オンライン闘犬賭博を主宰していた韓国人らのグループが違法賭博行為で摘発され、闘犬にされていた200匹以上のイヌが救出された。

 フィリピン動物福祉協会(Philippine Animal Welfare SocietyPAWS)が5日までに明らかにしたところによると、助けられたイヌのうち33匹はけがや脱水症状、栄養失調などで弱っていたり、攻撃性が高すぎるとして安楽死させられた。また、他4匹が救出後に死亡した。

 残る225匹については、引き取り手が現れなければ殺処分されることになっていたが、PAWSのアナ・カブレラ(Anna Cabrera)事務局長によると2つの動物保護施設が引き取りに同意し、5日までにこの2施設に移されたという。イヌたちは健康状態の回復と性格の矯正を受け、人に対して攻撃性を示さないことが確かめられたのち、里親を探すことになるという。

 地元警察当局は前月30日、マニラ南方ラグナ(Laguna)州サンパブロ(San Pablo)市にある約2ヘクタールの農場に強制捜査に入り、フィリピンでは違法な闘犬賭博を行いインターネット上で生中継して客に賭けさせていたとして韓国人8人を含む計12人を逮捕した。

 この際、闘犬に使われていたイヌは全て救出されたが、PAWSの獣医ウィルフォード・アルモロ(Wilford Almoro)医師によると大半は脱水症状と栄養不足で弱っており、重傷を負っていたイヌは安楽死させざるをえなかったという。救出翌日に安楽死させた最も重傷だったイヌ17匹は、舌の半分が引き裂けていたり、両方の耳がかみちぎられるなどしていた。

 アルモロ医師によると、全てのイヌの健康状態の回復には334万ペソ(約640万円)ほどの費用がかかる見込みで、さらに攻撃性の矯正が必要となる。

 フィリピンでは闘犬はそれほど人気はないが、闘鶏は盛んで最も人気のあるスポーツの1つ。闘鶏ではニワトリの足にナイフをつけて、対戦するどちらか一方が死ぬまで戦わせる。(c)AFP/Teodoro Aljibe

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【動画】ドラム缶につながれたイヌたち(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)