学習到達度も「アジアシフト」、スパルタ教育の賜物ではないと豪研究
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【2月17日 AFP】欧米の子どもたちの学習到達度は上海(Shanghai)の子どもたちより最大3年遅れており、アジア諸国における学習成果の高さは決して厳格な親によるスパルタ教育の結果だけとはいえない――。オーストラリアの独立系シンクタンク「グラッタン研究所(Grattan Institute)」は17日、このような調査報告を発表した。
同研究所は、経済協力開発機構(OECD)による国際学習到達度調査(Programme for International Student Assessment、PISA)のデータを分析。その結果、東アジアに優秀な生徒が集中し、特に香港(HongKong)、韓国、上海、シンガポールの教育システムが世界トップレベルだということが分かったという。
ベン・ジェンセン(Ben Jensen)同研究所長は、平均15歳の生徒の数学の学習到達度を国際比較すると上海の生徒は豪・米・欧の学生よりも2~3年進んでいるとして、「経済の中心だけでなく、学業のレベルも欧米からアジアへシフトしている」と述べた。
読解力においては韓国が、米国や欧州連合(EU)加盟国に比べて1年、オーストラリアと比較しては7か月進んでいたという。
■予算規模や「丸暗記」ではない
調査報告は、近年のOECD諸国は教育予算を大幅に増加させているが、成果に直結しないケースも多々あり、学習到達度は必ずしも予算に比例するわけではないと指摘。OECD諸国の平均より少ない予算でも、韓国の学習到達度はオーストラリアより優れていたと紹介しつつ「文化的な要因によるものでも、儒教の産物でも、丸暗記の成果でも、『タイガー・マザー』のおかげでもない」と分析している。
また、香港とシンガポールでは過去10年間で読解力が飛躍的に伸びたが、その試験内容は単なる丸暗記で対応できるものではなく、問題解決力を問うものだった点も紹介している。
調査報告は、最高の教育システムでは予算拡大よりも、合理的でたゆまぬ学習と教師育成、メンタリング、スキルの研さんに重点を置いていると説明。例えば、上海では1学級の生徒数を40人まで増やす代わりに教師が授業準備や自身の研究に使える時間を増やすなど、世界トップレベルの4か国・地域の教育システムは目標達成のためなら、あえて難しい選択もしていると述べている。(c)AFP
【関連記事】中国系米国人の厳しすぎる育児本に非難殺到
同研究所は、経済協力開発機構(OECD)による国際学習到達度調査(Programme for International Student Assessment、PISA)のデータを分析。その結果、東アジアに優秀な生徒が集中し、特に香港(HongKong)、韓国、上海、シンガポールの教育システムが世界トップレベルだということが分かったという。
ベン・ジェンセン(Ben Jensen)同研究所長は、平均15歳の生徒の数学の学習到達度を国際比較すると上海の生徒は豪・米・欧の学生よりも2~3年進んでいるとして、「経済の中心だけでなく、学業のレベルも欧米からアジアへシフトしている」と述べた。
読解力においては韓国が、米国や欧州連合(EU)加盟国に比べて1年、オーストラリアと比較しては7か月進んでいたという。
■予算規模や「丸暗記」ではない
調査報告は、近年のOECD諸国は教育予算を大幅に増加させているが、成果に直結しないケースも多々あり、学習到達度は必ずしも予算に比例するわけではないと指摘。OECD諸国の平均より少ない予算でも、韓国の学習到達度はオーストラリアより優れていたと紹介しつつ「文化的な要因によるものでも、儒教の産物でも、丸暗記の成果でも、『タイガー・マザー』のおかげでもない」と分析している。
また、香港とシンガポールでは過去10年間で読解力が飛躍的に伸びたが、その試験内容は単なる丸暗記で対応できるものではなく、問題解決力を問うものだった点も紹介している。
調査報告は、最高の教育システムでは予算拡大よりも、合理的でたゆまぬ学習と教師育成、メンタリング、スキルの研さんに重点を置いていると説明。例えば、上海では1学級の生徒数を40人まで増やす代わりに教師が授業準備や自身の研究に使える時間を増やすなど、世界トップレベルの4か国・地域の教育システムは目標達成のためなら、あえて難しい選択もしていると述べている。(c)AFP
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