【12月26日 AFP】クリスマス・イブの24日夜、ヨーロッパ北部の夜空を猛スピードで横切る光の玉が目撃されたが、その正体は世界中の子どもたちへプレゼントの配達に忙しいサンタクロース――ではなく、ロシアが打ち上げに失敗したロケットの残骸だった。

 謎の光の目撃情報はベルギー、オランダ、ドイツ、フランス北部などであり、インターネット上には長く尾を引いた光る球体が夜空を横切る30秒ほどの動画がいくつも投稿された。独南部マンハイム(Mannheim)の天文研究所には、光を目撃した人々からの問い合わせが殺到。当初、天文研究者らは隕石(いんせき)だと考えていた。

 だが、ベルギー天文台は25日、この光の正体について、23日にロシア北部のプレセツク(Plesetsk)宇宙基地から通信衛星を載せての打ち上げに失敗し、シベリア(Siberia)に落下したソユーズ(Soyuz)2.1Bロケットの残骸だったと発表した。

 ちなみに、このロケットの残骸の一部は、シベリア・ノボシビルスク(Novosibirsk)州バガイツェボ(Vagaitsevo)の民家を直撃。インタファクス通信(Interfax)によると、直径50センチほどのかけらが民家の屋根を突き破った。この家に住む夫婦は当時、1階にいたが、2人ともけがはなかったという。

 大きな衝撃音がしたので屋根に上ってみたという家主の男性は、「何が何だか分からなかった。屋根に巨大な穴が開いていて、金属の物体が見えた」と露テレビに語っている。皮肉なことに、この民家の住所は「宇宙飛行士通り」だった。(c)AFP

【関連記事】
ノルウェー北部でUFO騒ぎ、正体はロシアのミサイル発射実験失敗
豪州東部でUFO目撃情報相次ぐ、正体は米企業のロケット