【12月21日 AFP】フランス政府は20日、ポリ・アンプラン・プロテーズ(Poly Implant ProthesePIP)社のシリコン豊胸バッグとがん発症に関する調査結果を23日に発表すると明らかにした。結果如何では、PIPのインプラント手術を受けた女性たちにバッグの摘出を求める見通しだという。

 PIPはシリコン豊胸バッグの分野では世界3位の大手だったが、同社のバッグは異常に高い破裂率を示し、未認可のシリコンジェルを使用していた事実が発覚したため昨年閉鎖され、製品の製造も禁止された。これまでに、同社のバッグを使用した仏女性は3万人に上る。このほか、世界各国でも多くの女性がPIPのシリコン豊胸バッグを使用しており、仏紙リベラシオン(Liberation)ではその数を30万人近くと推測している。

 バレリー・ペクレス(Valerie Pecresse)仏政府報道官は20日、仏ニュース専門テレビLCIに出演し、仏国立がん研究所がPIPの豊胸バッグ・インプラント手術とがんリスクの関連を調査中で、その結果が今週末に発表になると語った。その結果を参照したうえで、政府の対策を決定するという。

 一方、仏保健当局は、PIPの豊胸バッグ・インプラントと発がんリスクの因果関係は、まだ立証されておらず、「差し迫った健康リスクはない」との認識を示した。 

 仏紙リベラシオンは20日、複数の保健当局関係者の話として、すでに仏政府はPIP豊胸バッグの摘出を指示すると決定したと報じた。ペクレス報道官も同紙に対し、「PIPのインプラント手術を受けた女性たちは至急、執刀医に再診してもらうべきだ」と語っている。

 保健当局は前週、PIPのシリコン豊胸バッグでインプラント手術を受けた女性から、乳がんを中心とするがん事例が8件報告されたと発表していた。

 これまでにPIPの豊胸手術を受けた女性たちから2000件もの苦情申し立てが寄せられていることから、警察は同社への捜査を開始している。(c)AFP/Olivier Thibault