【11月28日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)軍が26日に、パキスタン北西部のアフガニスタン国境に近い部族地域に対して行った空爆でパキスタン軍兵士24人が死亡した事件をめぐり、欧米メディアでパキスタン軍が先制攻撃したとの報道が出ていることについて、パキスタン軍は28日、事実ではないと否定し、「彼らは言い訳をでっちあげている」と批判した。

 パキスタン軍報道官のアタル・アッバス(Athar Abbas)少将はAFPの取材にテキストメッセージで返答し、パキスタン軍の先制攻撃報道について「事実ではない。彼らは言い訳をでっちあげている。彼らにどんな損失があり、犠牲者は一体、何人いるのか」と反論した。

 NATOと米国はパキスタンとの同盟関係を損なわないよう、この事件の影響を最小限に抑えようとしているが、パキスタン政府はアフガニスタンに駐留するNATO軍など外国部隊14万人に不可欠な輸送ルートを閉鎖し、米国との同盟の見直しを指示している。

■「銃撃はパキスタン軍基地から」と欧米側当局者

 空爆が行われた夜に起きたことについては、まだ大半の点が不明だ。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は、アフガニスタン当局者3人と欧米側当局者1人の話として、NATOの空爆は、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)を標的としていた同盟軍を援護するためだったと報じた。英紙ガーディアン(Guardian)も同様に報じている。

 匿名の欧米側当局者はWSJに対し、NATOとアフガニスタン軍に対して「パキスタン軍の基地から銃撃があった」と語り、「防衛措置だった」と述べた。またアフガニスタンの高官も、アフガニスタン政府は銃撃がパキスタン軍基地からのもので、周辺の武装勢力からのものではなかったと考えていると述べた。

 さらに、アフガニスタンの国境警備隊責任者は、捜査終了までかん口令が敷かれているとして匿名を条件にAFPの取材に応じ、NATOが主導する国際治安支援部隊(ISAF)は攻撃されない限り発砲しないと説明した。また、一帯は森林に覆われた険しい山岳地帯のため、タリバンとアフガニスタンの治安部隊、パキスタンの治安部隊が非常に近い位置に拠点を構えていると述べた。

 パキスタン側は、攻撃を引き起こしていないと主張している。米当局は一連の報道について一切見解を示していない。(c)AFP/Emmanuel Duparcq

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