【11月26日 AFP】フランスで処理したドイツの放射性廃棄物を運んでいる列車は25日早朝、国境を越えてドイツに入った。ドイツ国内で大勢の反核活動家らが妨害し、列車の進行が一時阻止された。

 放射性廃棄物を積んだ貨車11両を連結した列車は、ドイツの小さな町ノインキルヒェン(Neunkirchen)で機関車交換のために5時間以上停止した。当局者によると、ここでの抗議行動は平穏に行われた。

 列車は同日午後4時(日本時間25日午前0時)すぎにノインキルヒェンを出発したが、100キロほど進んだドイツ西部ハスロッホ(Hassloch)で、抗議行動の参加者たちが線路上に停めたトラックのため、列車は停止を余儀なくされた。

 その後、警察がトラックを撤去し、列車はドイツ北東部ゴアレーベン(Gorleben)の貯蔵施設に向けて再び動き出した。

 ドイツの反核団体「アウスゲシュトラールト(Ausgestrahlt)」の広報担当者、ヨッヘン・スタイ(Jochen Stay)氏は、列車の目的地であるゴアレーベンの約20キロ手前のダネンベルク(Dannenberg)で公共テレビNTVに「(抗議の)参加者が線路や道路をふさぐだろう」と述べ、列車がゴアレーベンに到着するまではさらに妨害行動を行う方針であることを示した。

 スタイ氏は「しかし、私たちは行動をエスカレートさせたいとは思っていない。警察は参加者に対し、分別ある適切な対応をしてほしい」と述べた。

 前日24日夜には、ゴアレーベン付近の道路を封鎖しようとした抗議の参加者数百人に対し、警察が放水砲や催涙ガスを使用し、数名が逮捕されたほか、デモ隊と警察の双方に軽傷者が出た。(c)AFP/Frederic Happe