【11月24日 AFP】エジプトでは、同国を暫定統治する軍最高評議会のムハンマド・フセイン・タンタウィ(Muhammad Hussein Tantawi)議長が22日に早期の民政移行を約束したが、翌23日もデモ隊と治安部隊の衝突は収束せず、ある医療関係者によると、新たに3人の死者が出た。

 この日は、カイロ(Cairo)のタハリール広場(Tahrir Square)周辺のムハンマド・マフムード通りで衝突が発生。AFP記者によると、機動隊がこの通りにバリケードを築き、催涙ガスやバードショット(鳥用の散弾銃)を発射した。

 現地の医療施設の医師がAFP通信に語ったところでは、この衝突で3人が死亡。医師は、治安部隊が発射したのは「実弾のように見えたが、負傷者が病院に運ばれる前にそれを確認できなかった」と話した。

 タンタウィ議長は22日のテレビ演説で、次期大統領選を予定より6か月前倒しして、2012年6月末までに実施するとも明言。だが、タハリール広場に集結したデモ隊の多くは議長の言葉を信じていない。あるデモ参加者は「われわれは彼を信用できない。ボールは数か月間も軍最高評議会のコートにあり、彼らはその間、何も行動しなかった」と訴えた。(c)AFP/Samer al-Atrush