【11月15日 AFP】英ロンドン(London)ダウニング街10番地(10 Downing Street)の首相官邸の「ネズミ捕り役」に就任した雄ネコのラリー(Larry)だが、その職務遂行能力に疑問が持ち上がっている。

 英紙デーリー・メール(Daily Mail)によると、デービッド・キャメロン(David Cameron)首相がイアン・ダンカン・スミス(Iain Duncan Smith)雇用・年金相やオーウェン・パターソン(Owen Paterso)北アイルランド相と官邸で食事を交えて会議をしていたところ、床を駆け回るネズミを発見。首相はネズミに向かって銀のフォークを投げつけたが、ネズミは逃げ去ってしまった。

 ダンカン・スミス氏は、キャメロン首相に向かって「一体、ラリーは何をやってるんだ?」と言い放ったという。

 かつては犬猫愛護施設に保護された野良猫だったラリーだが、正面玄関前を走り回るネズミの映像がテレビで放映され、頭を悩ませていた首相官邸の「ネズミ捕り役」に抜てきされ、2月から官邸で暮らしている。

 6月の最新データによれば、これまでにラリーが捕獲したネズミは3匹。キャメロン首相は、ラリーは「人にはあまり懐かないようだ」と英国放送協会(BBC)に語っている。だが、ラリーは5月に英国を訪問したバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領には、喜んでなでられていた。

 ラリーは辞任すべきかとの質問に対し、キャメロン首相の報道官は「ラリーは多くの人たちを楽しませています」とのみ答えた。

 経済不況のさなかにある英国だが、ラリーの飼育費は首相官邸の職員たちが支払っている。(c)AFP