【11月9日 AFP】(図解追加)国際原子力機関(IAEA)は9日、イランが核兵器の開発を進めていることを示す「信用に足る」機密情報を含むとする報告書を発表した。

 米政府がイランへの国際的な圧力を強めると警告し、イスラエル大統領がイランに対する先制攻撃の可能性に言及する中、今回のIAEA報告書は中東の緊張状態をさらに高めると見られていた。

 IAEAは、イランが「核爆発装置の開発に関連する活動を行ってきた」ことを示す「信用に足る」情報に基づき、「深刻な懸念」を持っていると表明した。12ページに及ぶ機密情報に名前が挙げられた地域のうちいくつかは「民生および軍事目的」だが、「残りは核兵器(開発に)特化されている」と指摘している。

 イランが行っているとされる活動には、核弾頭のコンピューター・モデリング、テヘラン(Tehran)近郊パルチン(Parchin)の軍事施設内の巨大実験室における爆発実験、中距離弾道ミサイル「シャハブ3(Shahab 3)」に核弾頭を搭載する研究などが含まれている。この報告書は10を超える国の情報機関とIAEA自身が収集した情報に基づいている。

■米、イランへの圧力高める姿勢示す

 核開発計画はあくまで平和利用目的だと主張しているイラン側は、即座に今回のIAEA報告書は「根拠がない」と表明した。一方で米国は、この報告書によってイランが嘘をついていたことが示されたとして、イランへの圧力を強めるとともに、新たな制裁も求めていく構えを示した。

 しかし、今回の報告書は、国連(UN)安全保障理事会で米国とその同盟国が、常任理事国のロシアと中国に対イラン制裁強化の必要性を納得させる根拠としては不十分だという見方もある。

 米ワシントンD.C.(Washington D.C.)に拠点を置く「アームズ・コントロール・アソシエーション(Arms Control Association)」の核不拡散の専門家、ピーター・クレイル(Peter Crail)氏は、今回の報告書に驚くような新情報は含まれておらず、イランがすぐにも核兵器を製造すると示唆されているわけでもないと述べた。

 その一方でクレイル氏は、現在の対イラン制裁のもとでは、イランにウラン濃縮活動を止めさせるために各国が独自の裁量で制裁を強化できるようになっており、今回の報告書によって米政府は制裁強化を「非常に強く主張する」ことができるようになるだろうと指摘した。

 専門家らは、来週17~18日にオーストリアのウィーン(Vienna)で行われるIAEAの定例理事会では、IAEAがイランに関する報告を国連安保理に提出しようとする動きをロシアと中国が阻止するだろうと話している。(c)AFP/Simon Sturdee

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