【9月16日 AFP】スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット型端末に続く次なる巨大IT機器市場として、車のドライバーが注目されている。今週開幕した第64回フランクフルトモーターショー(IAAInternationale Automobil-Ausstellung)には、各社が競ってインターネット接続が可能な新車を出展した。

■未来の車は「家庭の延長」

 クラウドコンピューティングが登場した今、自動車メーカーが考える「未来の車」は単なる乗り物ではなく、運転中でも電子メールやSNSを利用できる空間、いわば家庭や職場の延長線上にある存在となった。

 独自動車大手BMWは既に、ドライバーの好みに合うレストランや最寄りのATM、無料駐車スペースなどをクリックするだけで探せる車載ネットシステムを提供している。ライバルの独ダイムラー(Daimler)も負けてはいない。新たに開発した車載コンピューターは、駐車中に限りドライバーが車内でネットサーフィンができるというものだ。

 米フォード(Ford Motor)が発表した新型コンセプトカー「エヴォス(Evos)」は、ドライバーの好みに合わせて車内温度までカスタマイズできる点が特徴。自宅のエンターテイメントシステムにアクセスしてニュースや音楽番組を聴くことも可能だ。

 独ボッシュ(Bosch)や仏ヴァレオ(Valeo)などの部品メーカーも、最新の車載コンピューター技術への投資に余念がない。例えばヴァレオは、ドライバーが乗っていなくても駐車できる新システムを発表している。

「ライフスタイルと快適さを提供し、さらに消費者の環境意識にもフィットする車でなければ、成功しない」とコンサルティング会社ブーズ・アンド・カンパニー(Booz & Company)のスティーブン・リース(Stephan Reith)氏は説明する。

■車がサイバー攻撃受ける恐れも

 各種調査によれば、ネットアクセスが可能な車の台数は今後数年で、世界的に急増するとみられる。

 しかし、車載ITサービスには、ドライバーの注意力を散漫にさせるといった危険性も潜む。独IT業界団体「BITKOM」のマルティナ・ケデリッツ(Martina Koederitz)氏は「交通安全を損なうことなく消費者の要求に応えること」が課題だと指摘する。

 また、米コンピューターセキュリティー企業マカフィー(McAfee)は、車載コンピューターがハッカー攻撃を受ける可能性を警告している。「車がハッキングされれば、重大な安全システムに大きな危険が及びかねない」(マカフィーのスチュアート・マクルーア(Stuart McClure)上級副社長兼ゼネラルマネジャー)

 データ保護の面でも、特に電気自動車については、車内に保存された大量の個人情報からドライバーの居場所や移動経路が追跡される恐れがあり、ユーザーが個人情報保護に注意する必要があると専門家らは忠告している。(c)AFP/Caroline Biehl

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