【9月6日 AFP】シンガポールからニュージーランドに向かっていた豪格安航空、ジェットスター航空(Jetstar)の機内で前週、乗客の男性が突然死するアクシデントがあり、同航空は5日、死亡した乗客の周囲に座っていた乗客らにお詫びとして金券を提供したことを明らかにした。

 死亡したのは、ジェットスター航空でニュージーランドのオークランド(Auckland)に向かっていたニュージーランド人のロバート・リッピンゲールさん(31)。隣の席に座っていたリッピンゲールさんのガールフレンドのバネッサ・プリーチャクルさんによると、リッピンゲールさんは機内映画を見ながら機内食を食べていた最中に突然、苦しみだした。

「最初は大笑いしているんだと思った。けど彼の顔を見たら、目を白黒させて、しゃべることもできず、唇は紫色になっていった」(プリーチャクルさん)

 機内に乗り合わせていた医師と看護師2人が駆けつけ、リッピンゲールさんの応急処置にあたったが、離陸から90分ほどでリッピンゲールさんの死亡が確認された。

 シンガポールからオークランドまでの飛行時間は約11時間で、飛行時間はまだ9時間以上も残っていたが、リッピンゲールさんを故郷のオークランドに帰らせたいとのプリーチャクルさんの意向から、ジェットスター機はシンガポールには引き返さず、そのままオークランドに向かって飛行を続けた。

 リッピンゲールさんの父親のデービッドさんは、食べ物を喉に詰まらせて窒息したことがリッピンゲールさんの死因だと警察から説明を受けた。だが、リッピンゲールさんは心臓に既往症を抱えていたことから、正確な死因については検視結果を待っているという。

 一方、ジェットスター航空はその後、死亡したリッピンゲールさんの座席近くの乗客らに連絡をとり、アクシデントに対する理解に謝意を伝えるとともに、同航空利用時に使える金券を提供したという。金券の金額について、ジェットスター航空は明らかにしていないが、100ニュ-ジーランド(NZ)ドル(約6500円)相当との報道もある。(c)AFP