【8月26日 AFP】アフリカ連合(AU)は25日、エチオピアの首都アディスアベバ(Addis Ababa)で、「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれる大陸北東部の深刻な飢饉(ききん)問題への資金拠出について話し合う首脳会議を開いた。

 AU委員会のジャン・ピン(Jean Ping)委員長は、アフリカ開発銀行(African Development BankAfDB)が長期的な事業の費用として拠出を約束した3億ドル(約230億円)にアフリカ各国や民間から拠出の表明があった金額を合わせると、最終的な拠出額は3億5170万ドル(約270億円)になったと述べた。

 首脳会議の議長、赤道ギニアのテオドロ・オビアン・ヌゲマ・ムバソゴ(Teodoro Obiang Nguema Mbasogo)大統領は「アフリカの問題を解決するために、アフリカが初めて連帯の精神を見せた」と資金提供の動きを歓迎した。

 しかし、首脳会談に出席した各国の首脳は、エチオピアのメレス・ゼナウィ(Meles Zenawi)首相、ジブチのイスマイル・オマル・ゲレ(Ismael Omar Guelleh)大統領、ソマリアのシェイク・シャリフ・アハマド(Sharif Sheikh Ahmed)暫定政府大統領、赤道ギニアのヌゲマ大統領の4人にとどまった。

■少年が4000ドル集める

 飢えに苦しむソマリアの人々の映像をテレビで見たガーナの少年、アンドリュー・アンダシ(Andrew Andasi)くん(11)は募金活動を始め、4000ドル(約30万円)の義援金を集めた。これはアフリカ南部のレソト王国が表明した拠出額の2倍に相当する。

 AFPの取材に対し、アンドリューくんは「ぼくの呼び掛けが若い人にもお年寄りにも、そしてお金持ちにも貧しい人にも届いて、とてもうれしい」と話し、募金に応じてくれた企業や友人に感謝の言葉を述べた。

 アフリカ北東部では2年間も続く干ばつで、1240万人が飢餓の危機に瀕(ひん)している。なかでも内戦が続くソマリアの状況は深刻で、国連(UN)は先月、ソマリアの5地域が飢饉の状態にあると宣言し、飢饉はソマリア南部全域に広がる恐れがあると警告した。国連が飢饉を宣言したのは今世紀に入って初めて。エチオピア、ジブチ、ケニア、ウガンダにも飢餓の危機に瀕しているところがある。(c)AFP/Jenny Vaughan