【8月3日 AFP】7月22日に起きたノルウェー爆破・銃乱射事件のアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)容疑者(32)の弁護人は2日、ブレイビク容疑者が精神鑑定の鑑定人に、日本人の精神科医を希望していると語った。ノルウェー紙Dagens Naeringslivが同日、伝えた。

 弁護人のGeir Lippestad氏は、同紙に対し「(ブレイビク容疑者は)日本の専門家を希望している。これは傾聴すべき希望である。(同容疑者は)日本人なら、欧州の人間よりも自分のことをよく理解してくれると考えている」と語った。

 ブレイビク容疑者の精神鑑定は、すでにノルウェーの精神科医2人が行うことが決まっている。鑑定結果は、11月1日までに提出される予定。

 テロリズムとイスラム過激派の専門家、ノルウェーのThomas Hegghammer氏は、AFPの取材に、ブレイビク容疑者の1500ページに及ぶ宣言文の中に、「イスラムの(ヨーロッパ)侵略」に対する「十字軍」の詳細や、日本と韓国の文化に魅了されたことなどが書かれていると指摘した。

 ブレイビク容疑者の動機や人格について、AFPの取材した複数の精神科医は、同容疑者には責任能力があるとの見解を示している。鑑定で責任能力があると判断されれば、ブレイビク容疑者は法律で裁かれることになる。

 ノルウェーの現行法のもとでは、ブレイビク容疑者がテロリズムの罪で有罪になった場合、最高刑は禁錮21年。これに「人道に対する罪」が加わると、最高で禁錮30年。(c)AFP