【6月20日 AFP】米航空機大手ボーイング(Boeing)の民間航空機部門トップは19日、中国が民間航空機業界の開発を急速に進めており、一般に予想されているよりも早い時期にライバルの航空機メーカーとの競争に勝って受注を獲得するだろうとの見通しを示した。

 ボーイング社の民間航空機部門トップ、ジム・アルバー(Jim Albaugh)氏は、20日開幕のパリ国際航空ショー(Paris International Air Show)を前に、「(中国は)常に向上しているし、ばく大な投資をしている」と指摘した。中国は、資金と人材の両面で国家的な投資をしているという。

 アルバー氏は、中国だけでなくロシアやブラジルなど新興国の追い上げに対して、ボーイング社は一歩先を歩んでいなければならないと述べ、「相手が今日の航空機を製造しているのに対し、われわれは明日の航空機を作っていかなければならない。最先端の立場を維持していくことが不可欠だ」と語った。

■中国ComacのC919型機、パリ国際航空ショーで実物大模型を展示

 中国はボーイングにとっても、ライバルの欧州航空機大手エアバス(Airbus)にとっても極めて重要な市場だが、中国政府は外国の大手航空機メーカーに依存せずに、中国独自の航空機を製造する方針を明確に示している。

 中国の航空機メーカー、中国商用飛機(Commercial Aircraft Corp of ChinaComac)はパリ国際航空ショーで、「航空ショーデビュー」を飾る予定。C919型機のコクピット部と胴体の一部の実物大模型を展示する。

 客席190席のC919機は、ボーイングのB737やエアバスのA320などが支配的な中型機市場に狙いを定め、2016年に就航予定だ。

 Comacは、すでに中国の航空会社からC919型機約100機の発注を受けた。だが国外からの発注は、米電機・金融大手ゼネラル・エレクトリック(General ElectricGE)傘下のリース企業からの1件だけだ。同社はカナダ・ボンバルディア(Bombardier)や、C919にエンジンを提供する米仏合弁のCFMインターナショナル(CFM International)と技術提携を結んでいる。(c)AFP