【5月9日 AFP】ロシア国防省のジェット機、ツポレフTu-154型機がフラフラとよろめきながらモスクワ(Moscow)近郊上空を飛ぶ動画がユーチューブ(YouTube)に投稿され、ロシア軍は4日、調査を開始したことを明らかにした。

 4月30日に地元住民によって投稿された問題の動画は、前週半ばまでに再生回数は38万回を超え、インターネット上で「踊る飛行機」として話題になっている。よろめきながら飛ぶジェット機がモスクワ郊外の軍飛行場に何とか着陸するまでを映したもので、動画によると同機は10年ぶりの飛行だったという。

 国営ロシア通信(RIA Novosti)が軍検察当局の発表として4日報じたところによると、軍当局では航空事故につながりかねない問題として原因の調査を開始したという。当局報道官は、問題の機は操縦システムが故障したと説明し、無事に着陸させることのできたパイロットの腕前を称賛した。

 Tu-154は1968年に初飛行し、露アエロフロート(Aeroflot)が2009年まで使用していた機体だが、老朽化が進み、近年は何度か事故を起こしている。

 最近では前年4月、ポーランドのレフ・カチンスキ(Lech Kaczynski)大統領らを乗せた同型機がロシア西部スモレンスク(Smolensk)に墜落し、大統領らが死亡。また前年9月には、露民間航空会社の同型旅客機が深夜の飛行中に電源系統の故障に見舞われ、近くの使用されていない滑走路に不時着して奇跡的に乗員乗客が助かる事故も起きている。

 ロシアでは、5月9日の第2次世界大戦の戦勝記念日(Victory Day)のパレードに合わせ、モスクワの赤の広場(Red Square)上空で空軍が航空ショーを行うのが恒例となっているが、メディア報道によると、今年は経費削減のため中止されている。(c)AFP

【参考】左右にふらつくジェット機の動画