【3月26日 AFP】チベット亡命政府議会は25日、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(75)が政治的指導者の地位から退くことを受け入れることを決めた。チベット亡命政府は新たな指導体制に向けて動き出す。  議会は当初、10日に政治引退の意向を示したダライ・ラマ14世に翻意を求めていたが、最終的には権力移譲プロセスに関する4つの決議を全会一致で可決した。

 20日に行われた選挙で選ばれる新首相が、ダライ・ラマ14世の政治的地位を引き継ぐ。4月下旬に結果が発表される今回の首相選で最も有力視されているのは、米ハーバード大学(Harvard University)で国際法を研究しているロブサン・センゲ(Lobsang Sangay)氏(43)だ。センゲ氏はインド生まれで、チベットを訪れたことない。

 チベット亡命政府議会のある議員は、非常に難しい決断だったが、ダライ・ラマ14世はチベットの長期的な展望に立って政治引退を希望したのであり、そのために必要な(憲法にあたる)亡命チベット人憲章の改正を決めた、と語った。チベット亡命政府議会は今後数か月のうちに臨時議会を開き、憲章改正に必要な措置をとる。(c)AFP/Rajeshwari Krishnamurthy