【3月25日 AFP】ロック音楽通で知られるロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領(45)が22日夜、モスクワ郊外の大統領別邸で、ロシア公演中の英国の伝説的ロックバンド、ディープ・パープル(Deep Purple)のメンバーと会見した。

 ロックへの愛情は、青春を過ごした旧ソ連時代から変わっていないという大統領。ロックへの熱い思いを語り合う会見のもようは、翌日のテレビで放映された。

 黒のジャケットにジーンズ、ノータイといったラフないでたちのメドベージェフ大統領は、ディープ・パープルのリードボーカル、イアン・ギラン(Ian Gillan)さんらを前に、10代の頃から33年間、ディープ・パープルのファンだと告白。「パープルを聞き始めたときには、みなさんとこんなふうにお会いできるとはまったく想像もできなかったよ」と語った。

 また、高校時代に校内パーティーでDJをしていたエピソードを披露し、「珍しいディスコだったね、ハードロックがメインなんだから」と楽しげに語った。

 大統領によると、旧ソ連時代、ロックはソ連共産党の青年組織「コムソモール(Komsomol、共産主義青年同盟)」の許可を得ないと学校でかけることができなかった。

 大統領は、オープンリール式のテープレコーダーやアナログレコード用プレーヤーなど、昔懐かしい音響機器のコレクションも披露した。ディープ・パープルのヒットアルバムの数々もそろっていた。パープルのドラマー、イアン・ペイス(Ian Paice)さんは、大統領にドラムスティックを贈呈した。

■息子がディープ・パープルと「コラボ」

 大統領は、ロシア人は年老いた政治家から若い世代のロックファンまで、世界で最も忠実なパープルファンだと述べ、「わたしよりずっと若いけれど、あなたたちの音楽を愛してやまない若者を紹介するよ」と言い、10代の息子、イリヤさんを招き入れた。イリヤさんはディープ・パープルの面々と共にギターを演奏したという。イリヤさんの写真は保安上の理由から公開されておらず、この時の写真も公開されていない。

 メドベージェフ大統領は日ごろから、英ロックバンドのピンク・フロイド(Pink Floyd)が好きだと公言したり、昨年はアイルランドのバンドU2のリーダー、ボノ(Bono)さんと会ったりと流行に敏感だというイメージを国民にアピールしている。息子が好きな米国の人気バンド、リンキン・パーク(Linkin Park)を聴いていると発言したこともある。大統領広報担当官によると、大統領は過去に4回、ディープ・パープルのコンサートに足を運んだことがある。23日に行われた今回の公演には、残念ながら足を運べなかったという。(c)AFP/Anna Smolchenko

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