【3月21日 AFP】シリア南西部ダルア(Daraa)で20日、治安部隊がデモ隊に発砲し1人が死亡、100人以上が負傷したと、人権活動家が明らかにした。シリア当局はデモ参加者の死亡を否定している。

 首都ダマスカス(Damascus)の南100キロにあるダルアでは、チュニジアやエジプトでの民衆蜂起に触発され、48年間続く非常事態法の廃止と「自由」を求める抗議デモが3日連続で行われており、18日にはデモ参加者2人が死亡している。

 シリア当局高官は、18日の死者2人を追悼するため政府が閣僚2人を20日にダルア入りさせており、それに合わせて「トラブルメーカーたち」が暴動を起こしたと説明した。

 一方、現場にいた人権活動家によると、閣僚らがダルア入りしたことで市内は怒りで「噴火」し、集まった「1万人以上のデモ隊」に向けて治安部隊と私服警官が実弾と催涙弾を発砲。実弾で1人が死亡し、重体2人を含む100人以上が負傷したと話した。「催涙弾には毒性物質が含まれていた」とも述べている。

 シリア軍部隊もダルアを包囲していたが、介入はしなかった。(c)AFP/Reem Haddad