【3月17日 AFP】バーレーンの治安部隊は16日早朝、イスラム教シーア派(Shiite)の住民を中心とした反体制勢力の拠点となっている首都マナマ(Manama)の真珠広場(Pearl Square)でデモ隊の強制排除に乗り出し、5人が死亡した。

 数百人の治安部隊は散弾銃と催涙ガスを使用し、戦車とヘリコプターも動員された。反体制派によると、この強制排除によりデモ隊の3人が死亡。政府は、反体制派が運転する車にひかれて治安部隊に2人の死者が出たと発表した。

 事態を受け、バーレーンの同盟国でもある米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は深い憂慮を表明。ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官も、政情不安を払拭するために軍隊を派遣した湾岸協力会議(Gulf Cooperation CouncilGCC)の判断は誤っていると発言した。

 同国には前日の15日、ハマド・ビン・イサ・ハリファ(Hamad bin Issa al-Khalifa)国王の要請を受け、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)から装甲車に乗った軍隊が到着。国王はその後、全土に3か月間の非常事態宣言を発令していた。
 
 同国では、チュニジア、エジプトで反体制デモが政権崩壊を導いた事実に励まされ、約1か月前から真珠広場を中心に政治改革を求めるデモが続いている。デモによる死者はこれまでに約16人にのぼっている。(c)AFP/Ali Khalil

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