【2月28日 AFP】中東・北アフリカで反政府デモが相次ぐなか、アラビア半島南東端のオマーンでも27日、大規模な反政府デモがあり、警官隊の撃ったゴム弾で2人が死亡した。

 治安当局筋によると、デモは首都マスカット(Muscat)から北西に200キロ以上離れた北部のソハール(Sohar)で発生し、5万人の雇用創出や失業給付を要求。地元警察署になだれ込もうとしたため、治安部隊がゴム弾を発射し、デモ参加者2人が死亡、5人が負傷したという。

 目撃者によると、デモ参加者の多くは失業者で、働き口のほか給与の増額、汚職の抑制なども求めていたという。

 国営オマーン通信(ONA)も、ソハールで治安部隊とデモ隊との衝突があり死者が出たことを報じたが、市民とその財産を守るためだったと擁護。また、ソハールでは26日から暴動が起きており、27日も政府・民間の車両数台が放火されたと伝えた。

 カブース・ビン・サイド(Qaboos bin Said)国王(スルタン)は27日、ONAを通じて、登録した求職者1人につき月額150リアル(約3万2000円)の給付金と5万人の新規雇用の提供を命じる国王令を発表した。(c)AFP/Karim Sahib