【2月15日 AFP】(一部更新)中東のバーレーンで、チュニジアやエジプトの政変に刺激され、インターネットのSNSフェースブック(Facebook)上での呼びかけに応じ各地で反政府デモが行われ、これまでに2人が死亡した。
 
 内務省の発表によると、首都マナマ(Manama)東のディヤ(Diya)村で14日、反政府デモが行われ、警察がデモ隊を排除した。目撃者によるとその際に男性1人が負傷して病院に運ばれた。バーレーン内務省は、この男性はその傷がもとで14日夜に搬送先の病院で死亡したと発表し、警察側が「不当な武器の行使」を行っていなかったかどうか調査中だと述べた。

 15日には、14日に死亡したデモ参加者の葬儀に集まった群衆と治安部隊が衝突し、群衆の1人が銃弾に当たって死亡した。ある野党議員はAFPの電話取材に対し、2人目の死亡者は「葬儀のために人々が集まった病院の前で、ホローポイント弾に当たって死んだ」と語った。デモで死亡した2人の写真はフェースブックに掲載され、憤った大勢の人が詰めかけたそれぞれの葬儀は、反政府デモに発展した。

■フェースブックでデモ呼びかけ

 チュニジアやエジプトと同じように、バーレーンでもITに強い若者たちがインターネットを使って政府に雇用創出や賃金の引き上げを求めている。14日のデモを呼びかけたフェースブックのページには、「中東の他の国で起きているのと同じような、政治・社会改革を起こすチャンスだ。2月14日には『国民は体制の変革を求めている』と共に叫ぼう」と書かれている。

 内務省によると、13日にはマナマの南の郊外にあるイスラム教シーア派の村カルカザン(Karkazan)で、警察が「無許可デモ」として数百人のデモを強制排除しようとした中、警官3人とデモの参加者1人が負傷した。内務省はマイクロブログ「ツイッター(Twitter)」で、カルカザンのデモを解散させるために治安部隊がゴム弾を発射したことを明らかにした。

 また同国東部の村では、やはり警察側が「無許可デモ」として数十人のデモを解散させるために催涙ガスを使用した。警察発表では逮捕者はいない。目撃者によると14日朝にデモが始まるとまもなく、警察は催涙弾の発射を開始した。内務省の発表では、男性1人が負傷し入院したが容態は安定している。

 バーレーンはイスラム教シーア派が多数派を占めるが、スンニ派のハマド・ビン・イサ・ハリファ(Hamad bin Issa al-Khalifa)国王一家が支配しており、首相や閣僚の人事も掌握している。1990年代にはシーア派の暴動が相次いだが、国民投票で民主化の枠組みを規定した「国民行動憲章」が承認され、2002年2月に改正憲法が公布されて立憲君主国となり、1975年に停止された議会が復活すると抗議は弱まっていた。(c)AFP