【12月2日 AFP】アフガニスタンに駐留する米陸軍の1部隊の兵士らが今年3月、戦闘員ではないことが明らかだった現地民間人を遊び半分に射殺したとされる事件で1日、初の軍法会議が開かれ、出廷した1人目の軍曹が有罪を認めた。

 被告のロバート・スティーブンス(Robert Stevens)2等軍曹(25)は、3月に野外でアフガニスタンの民間人に対して発砲したことなど、5つの軍規違反で起訴されている。スティーブンス被告は、敵性戦闘員ではなく民間人だと分かっていた男性たち「の方向へ」発砲したことなど、4つの容疑を認めた。

 米軍は今年初め、アフガニスタン民間人3人が殺害された襲撃事件に絡み、兵士約10人を起訴した。中には、遺体の一部を切り取り持ち帰った兵士もいた。全員がカンダハル(Kandahar)州のラムロッド前線作戦基地(Forward Operating Base Ramrod)の所属で、同じく起訴されているカルビン・ギブス(Calvin Gibbs)2等軍曹が主犯格だったとみられている。

 スティーブンス被告によると、部隊は巡回警備中、畑にアフガニスタン人男性数人がいるのを見つけた。男性たちは兵士たちから身を隠すことなく堂々と歩いており、「彼らが脅威ではないことは分かっていた」(スティーブンス被告)。

 しかしギブス2等軍曹は、男の1人が携行式ロケット弾を持っていると言い、他の兵士たちに銃撃体勢に入るよう命じた。スティーブンス被告は「発砲したが、わざと大きく外して撃った。するとギブス2等軍曹に、任務は正確に遂行しろと言われた」と証言した。また、後に軍の捜査に対して、ギブス2等軍曹の発言に合わせ、携行式ロケット弾を持った男がいたと虚偽の証言をしたことも認めた。

 スティーブンス被告は殺人では起訴されておらず、容疑の大半を認めたことで司法取引を行う可能性が生じた。スティーブンス被告に対する軍法会議の結果は、同じく起訴されている他の兵士の審判にも影響を及ぼすとみられている。(c)AFP


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