【9月10日 AFP】アフガニスタンの民間人3人を殺害し、共謀して犯行の隠蔽(いんぺい)を試みたとして、駐留米兵12人が起訴されたことが同日公表された米陸軍文書で明らかになった。兵士らの中には、被害者の遺骨を所持していた者もいたという。

 事件は、旧支配勢力タリバン(Taliban)の影響力が強いアフガニスタン南部カンダハル(Kandahar)州にあるラムロッド前線作戦基地(Forward Operating Base Ramrod)に最近配属された兵士らが、今年1月、2月、5月にアフガニスタン人計3人を殺害したというもの。

 起訴状によれば兵士らは、被害者らに向かって手榴弾を投げつけた後、銃撃したとされる。1件以上の殺人に関与したとして兵士5人が、内部告発しようとした同僚を殴るなどして事件の隠ぺいを図ったとして兵士7人が起訴された。

■遺体の頭蓋骨や手足の骨、歯を所持

 検察官によると、容疑者のうちカルビン・ギブス(Calvin Gibbs)二等軍曹は、殺害したアフガニスタン人の遺体から指、脚、歯の骨を持ち去って所持していた。また、マイケル・ギャグノン(Michael Gagnon)特技兵は、遺体の頭蓋骨を所持していたとされる。さらに遺体の写真を撮影した容疑が複数の兵士に、遺体をナイフで刺した容疑がコリー・ムーア(Corey Moore)特技兵にかけられている。

 その他、複数の兵士が、大麻使用やその他の違法行為について告発しようとした同僚兵士1人を襲って脅迫した容疑にも問われている。

 今回の事件は、武装勢力掃討作戦の成功に不可欠なアフガニスタン国民からの信頼を得るために、兵士の教育に取り組んできた米軍に打撃を与える可能性もある。

 起訴された兵士たちが実際に罪を犯したのかどうかはまだ定かになっていないが、米国防総省のジェフ・モレル(Geoff Morrell)報道官は、たとえ無罪になったとしても、世界に展開する米軍にとってプラスにはならず、一連の事件が起きた地域の人々はこの兵士たちのことを無罪だとは思わないだろうと述べ、事件の影響を憂慮した。(c)AFP