【11月8日 senken h】小さなブランドにとって、大手セレクトショップは敷居が高く、なかなか接点を持てないのが現実だ。バイヤーが数多く来場する合同展に出てみても、じっくり見てもらうにはせわしない。そんな状況を打破すべく、アッシュの企画や配布などを支える有力セレクトショップのメンバーで構成する「アッシュブレーン」がこのほど、「クリスマス」をテーマにオーディション形式のビジネスマッチング企画を実施した。主催は、ブランドエージェント事業でクリエーターを支援するオープンクローズ。10ブランドが参加して、熱いモノ作りへの思いを伝えた。

 オーディションにはアバハウスインターナショナル、アッシュ・ペー・フランス、トゥモローランド、ビームス、ベイクルーズ、ユナイテッドアローズの各社から、取締役やプレス責任者など、さまざまなテイストやメンズ、レディス、雑貨などのカテゴリーを超えて全部門を見渡せるメンバーが集まった。自社のどのショップ、どの業態に落とし込めるか、あるいは自社内では扱えないと判断するのか。

 1社15分のプレゼンテーションにそれぞれの参加者は思いの丈をぶつけた。
 職人技が生きるストール、ファッションとは無縁な資材を使ったバッグなど、どれも作り手の思いがこもったサンプルに、審査員からも感嘆の声が漏れる。手の込んだ加工のルームシューズには、物性面での質問が飛び交い、デザイナーが答えに窮する場面も。ピリピリとした緊張感と真剣勝負のプロ同士のやり取りで、あっという間の4時間が過ぎ去った。
 各社とも写真を撮り、資料を持ち帰って、担当バイヤーとの調整に入った。結論は悲喜こもごもだが、オーディションの模様は11月8日から、ユーチューブ(「アッシュオーディション」で検索可能)で順次公開される。
 
<審査員>(順不同・敬称略)
・アバハウスインターナショナル取締役・メンズ事業部・副部長 原 清浩
・アッシュ・ペー・フランス PR01 松井 智則
・トゥモローランド事業開発部・ライフスタイルマネージャー 佐々木 康裕
・ビームス社長室・企画部 土井地 博
・ベイクルーズ執行役員 野田 晋作
・ユナイテッドアローズPRマネージャー 吉田 淳志

■ブランド、ショップ、消費者の新しい関係を作るために/オープンクローズ取締役 幸田康利さん
 日本には欧米以上に多くのクリエーターがいて、ファッションブランドとしてビジネスをしています。ブランドは、ショップのバイヤーにアプローチするために展示会などを行っていますが、バイヤーも忙しく、小さくて新しいブランドとのマッチングが難しい状況が慢性的に続いています。そこで、両者がゆっくりコミュニケーションをとれるプレゼンの場を設け、なかば強制的に(笑)ブランドに目を向けてもらう企画を考えました。小さいブランドにとって、セレクトショップでの販売はより多くの消費者に商品を届けられる大きなチャンス。そのきっかけを作り出したいと思いました。

 一方、消費者である私たちは、セレクトショップで扱われているブランドについてよく分からないのが現実です。プロモーションを『アッシュ』が担うことで、新しいブランドを育て伝えていくショップ側のリスクを軽減することも狙いのひとつです。
 今回、よく見てよく知ると、良い商品を作られている10ブランドが集まりました。営業的なことが苦手なクリエーターも多いのですが、人と人とのコミュニケーションがベースになったため、「秘めた思い」を伝えられたのではないかと思います。展示会で苦戦していたブランドも取引が決まりそうですし、ショップからの意見も良いフィードバックに。また、バイヤー側も気付かなかった魅力を発見したりと、新鮮だったようです。

 これからブログや動画などを通じて、プレゼンの現場やその後の展開など広く伝えていく予定です。次回は3月を考えていますが、単に出会いの場を提供するだけでなく、ブランドとショップ、そして消費者の新しい関係性を編み出していけたらと思っています。

■ オープンクローズとは?
 「60億人に60億通りのファッション」をテーマに、衣服に関わるすべての人に「開かれた衣環境」を実現するためのさまざまな事業を展開。ブランディングエージェント事業である「OC-X」は、ファッションブランドの最新展示会のスケジュールや商品をバイヤー・プレスに紹介し、営業・プロモーションをサポートするウェブエージェント。ブランドやショップの持ち味を、多くの人に伝える活動をしている。 (c)senken h / text:加藤陽美

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