【11月4日 AFP】米アリゾナ大(University of Arizona)の光学研究チームは3日、ホログラム(3次元画像)による動画の実現に一歩近づいたとする研究成果を発表した。

 ホログラムは、対象物にレーザー光線を当て感光スクリーン上に記録し、立体画像として再生するもの。研究チームは2年前、小型スクリーン上の像を3~4分ごとに更新する技術を開発し、静止したホログラムに動きを与えた。

 今回の発表によると、更新速度はいまや当時の100倍の2秒ごととなり、像は「ほぼリアルタイム」に動くようになった。さらに、画像の記録・伝送が可能で、記録したホログラムを世界中でリアルタイムに再現することができるという。この技術を活用すれば、たとえば話者がアリゾナ州に居ながらにして、ニューヨークの会場に3Dで登場しプレゼンすることも可能になる。

 画像は通常のカメラを使って記録する。さまざまな角度から記録するが、使用するカメラの数が多いほど、ホログラムは精細になる。

 記録データは高速で振動するレーザー光線に符号化され、ほかのレーザー光線の波長と交差することにより、立体画像の元となる波形・干渉縞が生成される。この干渉縞を、光に反応し電場に応じて位置や並びを変える染料分子を含んだ屈折性高分子フィルムに転写すると、画像が立体的に再生される。ホログラムは数分で消滅してしまうが、新たな画像で上書きすることもできる。

 試作装置では10インチのスクリーンを使用したが、研究チームでは17インチのスクリーンを開発中だ。現段階では像を緑色でしか表現できないが、実験ではマルチカラーの3D画像の作成に成功しており、近い将来、装置に組み込めるのではないかとしている。(c)AFP

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