【10月30日 AFP】インド洋のリゾート地でハネムーン先としても名高いモルディブで、地元の人びとに祝福されて結婚式を挙げた外国人カップルが、実はモルディブの言語で「豚」や「異教徒め」などと儀式の最中に罵声を浴びせられていたことが、米動画共有サイト・ユーチューブ(YouTube)に投稿されたビデオ映像から判明した。

 動画で、新婦はブーケを手に白いドレスを身にまとい、新郎は儀式の間ずっと照れくさそうに笑顔を浮かべている。お香のたかれたテーブルの前で、カップルは祈りを捧げ、スタッフたちが拍手する中、指輪を交換した。

 しかし、実は、その間ずっと、2人はモルディブの言語、ディベヒ語で「お前は豚だ」「この結婚で生まれる子どもは豚だ」「結婚は正当なものではない。お前たちのような奴らは正当な結婚ができない。1人は異教徒で、もう1人もそうだ」などとののしられていた。

 モルディブ警察は、結婚式を執り行った男と地元のホテル従業員を拘束したと発表。観光業が主要産業のモルディブでは懸念が広がっており、モルディブ警察は「非常に重大な問題として、この事件の捜査を始めた」とAFPに語った。

 モルディブのモハメド・ナシード(Mohamed Nasheed)大統領も、同国での結婚式に対し、厳格なガイドラインを定めると発表した。

 結婚式が行われたのは10月初頭で、カップルが支払った費用は1300ドル(約10万5000円)だったという。ユーチューブに動画が掲載されたのは今週初めごろ。動画を投稿したのはホテルの別の従業員だった。(c)AFP/Amal Jayasinghe

【参考】ユーチューブに投稿された結婚式の動画