【9月15日 AFP】イランでスパイ容疑で拘束された米国人旅行者3人のうち、サラ・ショウルド(Sarah Shourd)さん(32)が、保釈金が支払われたあと解放され、14日にオマーンに到着した。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、依然として拘束されている残り2人の米国人の早期解放を望むと語った。

 ショウルドさんは、空港で記者団に「(友人2人が)これ以上長く拘束されるいわれは無い」と述べ、「友人たちの自由を確保するために全力を尽くす。友人たち抜きでは自由を楽しむことなんて出来ない」と語った。

 ショウルドさんはオマーン国王所有機でマスカット(Muscat)に到着し、空港で母親のノラ(Nora)さん、叔父、米国の駐オマーン大使リチャード・シュミアラー(Richard Schmierer)氏の出迎えを受けた。

 ショウルドさんは2009年7月31日、シェーン・バウアー(Shane Bauer)さん(27)、ジョシュア・ファタル(Joshua Fattal)さん(27)とともにイラク国内をハイキング中にイラン側に越境。イラン当局はショウルドさんら3人を「スパイと不法入国の容疑」で拘束した。3人は容疑を否認し、イラクのクルド人自治区をトレッキング中に迷い、誤ってイラン側に越境しただけだと主張してきた。

 イラン英語衛星テレビ、プレスTV(Press TV)は、イランの検察官の話として、ショウルドさんの解放にあたって約50万ドル(約4200万円)の保釈金がオマーンにあるイラン国営メリ銀行(Bank Melli)で振り込まれたと伝えた。

 一方、米国務省のフィリップ・クローリー(Philip Crowley)報道官は、米国は保釈金を一切支払っていないと述べた。

 ショウルドさんの解放にはスイスとオマーンが仲介にあたった。(c)AFP/Mohammad Bellouchi