【8月30日 AFP】英ロンドン(London)で英秘密情報部(Secret Intelligence ServiceSIS)、通称「MI6」職員の変死体が見つかった事件で、現場から「ボンデージ」などSMプレー用の道具が発見されたとの報道が物議を醸している。

 事件は23日、MI6職員だったガレス・ウィリアムズ(Gareth Williams)さん(30)が、本部そばの自宅アパートの浴槽に置かれたカバンの中から遺体で見つかったもの。遺体は死後、2週間ほどが経過していた。

 この事件をめぐり英紙タイムズ(The Times)が27日までに、現場アパートから警察がSMプレーに使用するボンデージの道具一式を発見したと報道、ウィリアムズさんと同性愛者のエスコートサービスとの関連を示唆した。
 
 これにウィリアムズさんの遺族らは、苛立ちをあらわにしている。親戚の女性は「根も葉もない報道」と反論。「ガレスの両親はひどくショックを受けている。わたしもガレスがそんな人間だとは想像したこともない。それに私生活で何が起ころうと、それは彼自身の問題」と話した。

 捜査当局は、捜査の詳細は明かせないとして報道に関するコメントを避けている。

■「控えめ」「数学の天才」に何が起きたのか?

 遺体発見直後の検死で死因が特定できなかったため、捜査当局では現在、アルコールや薬物の痕跡がないか調べている。アパートには、無理やり押し入ったような形跡はなかったという。

 殺害されたウィリアムズさんは、数日内にも1年間のMI6での任務を終えて、チェルトナム(Cheltenham)の政府通信本部(Government Communications HeadquartersGCHQ)に復職する予定だった。

 ウィリアムズさんの人柄について友人らは、控えめで数学の天才と評している。また、幼なじみの男性は夕刊紙イブニング・スタンダード(Evening Standard)に対し、「非常に賢かったが、他人に影響されやすかった。他人と関係を築くのが苦手なタイプだった」と証言。ウィリアムズさんの数学の教師だった男性は、「教え子の中でも間違いなく一番の秀才で、1度の説明で全てを理解した」と語っている。(c)AFP

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