【3月18日 AFP】オーストラリアを象徴する犬「ディンゴ」は世界最古の犬種かもしれないとのDNA調査結果が、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 豪ニューサウスウェールズ大学(University of New South Wales)のアラン・ウィルトン(Alan Wilton)博士らによる国際研究チームは、85犬種のイヌ約1000匹とオオカミ数百匹を対象とする大規模なDNA調査を行った。その結果、ディンゴとその近種であるニューギニア・シンギング・ドッグが、調査対象の犬種の中で最もオオカミに近い遺伝情報を有していることが分かったという。

 研究者らは今回の調査結果について、ディンゴが一般的なイエイヌのどの犬種ともかなり異なるとの定説を支持するものだとして、種の保全に弾みが付くことに期待を寄せている。

 ディンゴは約5000年前にインドネシアからオーストラリアに持ち込まれた。ディンゴとニューギニア・シンギング・ドッグは数千年間にわたり、他の犬種と交雑することなく進化してきたとされるが、近年は交雑が進み、純血種の保護を求める声が高まっている。ウィルトン博士によると、オーストラリア東海岸に生息するディンゴの80%が雑種だとみられている。(c)AFP