【1月21日 AFP】(写真追加)インドネシア政府は、同国の絶滅危惧種スマトラトラを救おうと、保護施設で生まれた子トラを人間がペットのように育てる「里親制度」を検討している。

 野生で残っているスマトラトラは現在わずか200頭程度。2匹ずつのペアで、飼育希望者は10億ルピア(約990万円)を自然保護のための「保証金」として政府に納める。インドネシア林業省によると早ければ年内にも実施する。
 
 一方で、環境保護活動家などは「スマトラトラの生息環境の保護に努力を集中すべきだ」と主張し、中止を求めている。
 
 これに対し、同省の保護プロジェクト主任はAFPの取材で「われわれがやろうとしていることは、トラを売ったり、貸し出したりすることではない。認可によって人びとにトラの世話を見てもらうのだ。飼う人には一定の条件を守ってもらうし、トラはあくまで国が所有するものだ」と答えた。

 トラ2頭を飼育するためには、最低でも60平方メートルの広さが必要で、理想的な広さはサッカー・グラウンド3面分だという。

 飼われるスマトラトラの健康状態は、政府の専門家が管理する。またトラを虐待した場合には、罰金か禁固刑を科される。

 プロジェクト主任は「トラたちの住む新しい『ホーム』に必要な条件は、小さな動物園のようなものと考えてほしい」と述べた。(c)AFP/Arlina Arshad