【1月21日 AFP】中国の世界最大級のダム、三峡ダム(Three Gorges Dam)周辺の住民30万人が新たに移転を迫られることになった。

 21日の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が引用した重慶(Chongqing)市関係者によると、ダム近隣の住宅地域からの排水などによるダムの汚染を防ぐとともに、地震が発生した際の住民への被害を避けるのが目的。

 三峡ダムは湖北(Hubei)省の中央に位置しており、貯水池の大半は重慶一帯にかかっている。国営メディアによると9月時点で、すでに127万人が同ダム計画のために移転させられていた。

 新華社(Xinhua)通信によると、三峡ダムは年間1000億キロワットアワーの発電能力を擁する。

 しかし、ダム計画への反対派からは、住民の移転計画に大規模な買収が絡んでいる疑いが指摘されている。一方で移住を余儀なくされた住民からは、政府に約束された補償が払われておらず、便宜も受けていないといった苦情もあがっている。(c)AFP