【1月19日 AFP】マグニチュード(M)7.0の大地震の発生からまもなく1週間がたつハイチでは、救援活動が本格化している。略奪の懸念も高まる中、ハイチ当局は依然として死者数や被害規模を把握しかねている。

 死者数や建物被害数は常に修正され続けているが、さまざまな機関などから提供された最新の数字を以下に示す。

■死者数と建物被害数

 ハイチ政府の閣僚によると、7万体の遺体が収容され、集団墓地に埋葬されたという。一方で、複数の当局者は死者数は20万人を超えるとの見方を示している。

 ハイチ政府によると、25万人が負傷し、150万人が家を失った。多数のテント村が各地に建設されている。

 欧州連合(EU)の初期調査によると、首都ポルトープランス(Port-au-Prince)では建物など4000棟以上が倒壊・損壊などの被害を受けているという。

 20数か国が死者・行方不明者の中に自国民が含まれていると発表しているほか、国連(UN)職員330人と連絡が取れなくなっている。

■救助活動

 約43の国際捜索・救助チームの総勢1739人、捜索犬161匹が現地での救助活動を行っており、17日までに倒壊した建物から71人を救出した。

■支援活動

 国連は、被災者支援のため国際社会に5億6200万ドル(約509億円)の支出を求めている。このほかにも各種支援団体が支援を呼びかけている。

 世界食糧計画(World Food ProgrammeWFP)は、緊急支援オペレーションが前週始まって以来、1週間分の食糧10万5000人分を配給したと発表。18日にはさらに9万5000人分が配給される予定だという。

■物流状況

 米国際開発庁(US Agency for International DevelopmentUSAID)によると、ポルトープランスの飛行場は24時間態勢で開き、16日には1日あたり60機だった受け入れ数も、現在は100機に増加している。

 米国防総省によると、ポルトープランスの港は、60~90日間は使用不能。燃料補給用のふ頭が被害を受けているため燃料補給ができないという。燃料不足は深刻で、1日に4万リットルが隣国ドミニカからトラックで輸送されている。(c)AFP