【1月11日 AFP】エジプトの考古学チームが、同国最大のクフ王(Cheops)のピラミッドの建設に従事した労働者の墓群を発掘したと、ファルーク・ホスニ(Faruk Hosni)文化相が10日、発表した。ピラミッドは奴隷によって造られたとされる定説が覆る可能性がある。

 見つかった墓群は第4王朝(紀元前2694年~2513年)期のもので、エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of Antiquities)のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)事務局長が主導する考古学チームが発見した。

 ハワス事務局長は、労働者の墓の存在は、ピラミッドは奴隷によって建設されたとの定説に矛盾すると指摘している。

 まず、墓の位置はピラミッドを臨む近距離にあるが、ハワス事務局長によれば、奴隷の墓ならばピラミッドに隣接した位置に存在することはありえない。さらに、上エジプト(Upper Egypt)やナイ川デルタ(Nile Delta)の豪族が、免税の見返りとして、毎日子牛11匹、羊23匹とともに、労働者を派遣した証拠も見つかったという。

 クフ王の墓の建設に従事した労働者の数について、ハワス事務局長は1万人未満ではないかと話した。(c)AFP