【12月15日 AFP】天皇陛下(Emperor Akihito)は15日、中国の習近平(Xi Jinping)国家副主席と皇居で会見された。慣行の1か月前の申請を破って設定された会見が論議をかもしているにもかかわらず、鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相は習副主席の会見を温かく歓迎した。

 宮内庁によれば、会見は20分間にわたって行われた。習副主席は、2012年に胡錦濤(Hu Jintao)国家主席の後継者となると目されている。

 通常、締め切りが1か月前とされている天皇陛下と要人の会見申請を、中国側が1か月前までに行わなかったにもかかわらず、政府が習副主席に特別に取り計らって会見をかなえたことに批判があがっている。中国側から要請があったのは前月26日だった。

 鳩山首相は、記者団に対し、「副主席が日本で活動している最中にこういう状況になったことは大変残念だ」と述べ、「将来のリーダーになれる可能性の高い方をもっと喜びの中でお迎えすべきだ」と語った。

 時事通信(Jiji Press)によると、天皇陛下は会見で「今回の訪日によって両国間の理解と友好関係が一層増進されることを希望しています」と話した。

 一方、習氏は「お忙しい中、わざわざ会見の機会をつくっていただき、深く感謝します」と謝意を述べたという。

 今回の訪日は、習氏が08年3月に副主席に就任して以来初めて。また、中国の要人が天皇陛下と会見するのは、国賓として08年5月に訪日した胡主席以来となる。(c)AFP


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