【12月12日 AFP】地中海東部の島国キプロスで、故タソス・パパドプロス(Tassos Papadopoulos)前大統領の墓が夜間に荒らされ、遺体が持ち去られるという事件が発生し、同国には動揺が広がっている。

 国営テレビは11日、通常の番組を中断し、事件に関する生中継や人々の反応を放送した。

 国営ラジオによると、パパドプロス前大統領の私設警備員が同日午前8時(日本時間同日午後3時)ごろ、いつものように前大統領の墓にろうそくをともしに行ったところ、墓が開かれているのを発見したという。

 警察当局は一帯に規制線を貼ったが、墓が掘り返され、墓石が土まみれになっている様子が見て取れた。

 警察によると、事件は綿密に計画されたもので、犯行を隠ぺいしようとした痕跡があるという。墓石を動かすには3~4人が必要とみられるが、動機は不明だという。

 警察は同日、容疑者3人から事情を聞いているが、逮捕には至っていないとの声明を発表した。

 パパドプロス前大統領には生前、政敵がいたが、国内の政治指導者らは一様に犯行を非難している。前大統領が死去して1年となる12日には追悼式典が予定されている。(c)AFP/Charlie Charalambous