【10月16日 AFP】第二次世界大戦中に爆撃を受け激しく損傷したドイツ・ベルリン(Berlin)の新博物館(Neues Museum)が16日、修復を終えてかつての輝きを取り戻し、70年ぶりに再オープンした。英国人の建築家デービッド・チッパーフィールド(David Chipperfield)氏が、修復を手掛けた。開館式にはアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相が、正式に開館を宣言した。

 新博物館は、シュプレー川(Spree river)の中洲に5つの美術館や博物館が集結する博物館島にある。同島は、ユネスコ(UNESCO)の世界文化遺産に登録されている。

 2億1200万ユーロ(約290億円)をかけて修復された新博物館には、総床面積8000平方メートルで、4階建ての館内に、約9000の芸術品が展示されている。

 ベルリンの壁(Berlin Wall)崩壊20周年の記念すべき年に再開した新博物館で、最も注目される展示品は、3400年前の古代エジプトのネフェルティティ(Nefertiti)王妃の胸像で、ドイツが1913年に入手したものだ。

 最も古い展示品は、70万年前の石器時代の火打ち石で、最も新しい展示品は、ドイツが今年ベルリンの壁崩壊から20年を迎えるのにふさわしい、東西ドイツ時代に「反ファシスト障壁」と称して東ドイツが西側との境界に張りめぐらせた鉄条網の一部だという。

 このほかにも、完全な形で歯が残っているネアンデルタール人(Neanderthal)の子どもの頭部や、紀元前4世紀のケルト人の鉄かぶとなどの珍しい品も展示されている。

 今週末は、無料で入館できる。ネフェルティティの胸像が一般公開されるのは17日からだという。(c)AFP/Audrey Kauffmann


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