【10月10日 AFP】かつてないほどの勢力を持つ2つの大型台風16号(ケッツァーナ、Ketsana)、17号(パーマァ、Parma)による大きな被害を受けたフィリピン北部で8日から9日にかけて複数の地滑りが発生し、少なくとも181人が死亡した。

 地滑りの被害が最も深刻だったベンゲット(Benguet)州当局によると、5つの町で計120人の死亡が確認された。近隣のリゾート地、バギオ(Baguio)でも38人の死亡が確認され、今回の地滑りで少なくとも181人が死亡した。このほかにフィリピン北部では台風17号で25人が死亡している。

 台風17号の大雨により、5つのダムで放流を余儀なくされ、250万人が住むパンガシナン(Pangasinan)州の10を超える町に水が流れ込んだ。

 同州の知事は「ダムは治水目的だったが、増水が激しく、今ではダムがあることすら分からないくらいだ。水は山から町に直接流れ込んでいる」と惨状を明らかにした。

 同州の災害当局によると、同州の60%の地域では建物の2階まで浸水しているという。この地域には約30の町がある。

 ロサレス(Rosales)の町では水が首の高さまで達し、住宅、車、田んぼのほか、大型ショッピングモールまで水に飲み込まれた。

 過去1週間にわたり暴風雨をもたらした台風17号は勢力を弱めたものの依然として同国ルソン(Luzon)島沖に停滞を続けており、危険な状態が終わるきざしはない。台風16号がフィリピンに上陸してから9日までの2週間で540人以上が死亡した。(c)AFP/Ted Aljibe