【5月22日 AFP】ビタミンDを多く摂取する中年の男性は、「脳力」も高い――英マンチェスター大学(University of Manchester)によるこうした研究結果が、21日発行の医学誌「Neurology, Neurosurgery and Psychiatry」に掲載された。

 同大は、欧州の専門家らの協力のもと、40歳から79歳までの男性3000人以上を対象に、ビタミンDの摂取量と認識能力を比較した。すると、摂取量が多い男性では、注意力と情報処理速度を見る神経心理検査で一貫して良い成績を示した。また、摂取量が少ないと情報処理速度が遅くなるという明確な相関性も認められた。

 また、ビタミンDの摂取量が多いと情報処理速度が速いという関係性は、60歳以上で顕著に見られた。生物学的な理由は不明だという。

 なお、実験では、気分の落ち込み、季節、身体的活動レベルといった諸要素も加味された。

 ビタミンDは、10-15分程度日光を浴びると、皮膚で生成される。脂肪の豊富な魚にも多く含まれている。2008年には、オランダ・アムステルダム(Amsterdam)の研究チームが、年配者では、ビタミンDが不足するとうつなどの神経疾患リスクが高くなるとの研究結果を発表している。(c)AFP