【5月14日 AFP】(一部更新、写真追加)ミャンマー軍事政権当局は14日、自宅軟禁中の民主化指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さん(63)と2人のメードについて、米国籍の男性1人が前週自宅を訪問した件で訴追する方針を固めた。スー・チーさんが率いる国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)の広報担当が、スー・チーさんの弁護士の話として明らかにした。

 目撃者によると、スー・チーさんは同日午前7時(日本時間午前9時半)ごろ、ヤンゴン(Yangon)市内の自宅から連行され、15分後にヤンゴン郊外のインセイン(Insein)刑務所に入ったという。

 米国籍のJohn Yettawと名乗る男性は前週、厳重な警備下にあるスー・チーさんの自宅裏にある湖を泳いで渡り、スー・チーさんの自宅に2日間滞在した。男性はその後、警察当局に拘束された。

 NLDによると、スー・チーさんは午前10時にインセイン刑務所内の特別法廷に出廷する見通し。

 スー・チーさんは、軍事政権が1975年に制定した国家破壊分子法に基づいて自宅に隔離軟禁され、過去19年のうち13年間を事実上の拘禁状態に置かれている。現在の6年間の軟禁期限は今月27日に切れるが、軍政側は拘束を延長する方針で、軍政に批判的な有識者からは、訴追は来年実施予定の総選挙を前にスー・チーさんの拘束期間を延長する目的があるとの見方が出ている。(c)AFP