【1月9日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領一家が、ホワイトハウス(White House)の正式な住人になるまで滞在するワシントンD.C.(Washington D.C.)のヘイアダムス・ホテル(Hay-Adams hotel)は、超一流ホテルとして知られるが、「お化け」が出ることでも有名だ。

 1928年創業の同ホテルは、ワシントンD.C.中心部のラファイエット広場(Lafayette Square)に面し、ホワイトハウスからは数十メートルしか離れていない。

 145の客室を持ち、うち20室はスイートルームだ。各部屋に大理石のバスルームや高級ステレオシステムが備え付けられており、カーテンとタオルはイタリア製。グレードの高い部屋になると暖炉が付き、バルコニーからはホワイトハウスの眺望を楽しめる。1泊の料金は最低でも395ドル(約3万7000円)で、最高は6000ドル(約55万5000円)だ。オバマ家の長女マリア(Malia Obama)さん(10)のようなぜんそく持ちの客に、アレルギーを起こしにくいまくらを貸し出すサービスも実施している。

 ホテルの名前は、19世紀にこの場所にあった邸宅に住んでいた2人の著名人にちなんでいる。一人は、第16代米大統領エーブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)の私設秘書を務め、後に国務長官になったジョン・ヘイ(John Hay)。もう一人は、ジョン・アダムス(John Adams)、ジョン・クインシー・アダムス(John Quincy Adams)両大統領の子孫で作家でもあったヘンリー・アダムス(Henry Adams)だ。

 言い伝えによると、このホテルには、1885年に自殺したヘンリー・アダムスの妻、クローバー・アダムス(Clover Adams)の幽霊が、毎年12月、彼女の命日が近づくと出没する。誰もいないのにドアが開いた、クロックラジオが突然鳴って突然切れた、女性のすすり泣きが聞こえた、「What do you want?(何がお望み?)」という女性の声を聞いた――このような「不思議な体験」がホテルの従業員の間で語り継がれているという。(c)AFP