【1月6日 AFP】日光の下で毎日2、3時間を過ごすと子どもの近眼防止に効果があると、オーストラリア政府が助成する研究団体、オーストラリア研究会議(Australian Research Council ARC)が6日、発表した。

 明るい光を2、3時間浴びることで目の成長が調整され、近視が劇的に減るという。研究リーダーのイアン・モーガン(Ian Morgan)教授によると、近視は高学歴になるほど現れる問題で、東アジアでは記録的なレベルに達している。香港、台湾、日本、韓国、中国では近視に悩む子どもたちが増え続けている。シンガポールでは学業終了までに90%もの子どもたちが眼鏡を使用するようになるという。

 モーガン教授は、オーストラリアの子どもたちでは眼鏡使用者が20%にとどまっていることから、原因究明に興味をもったという。

 両国の6-7歳の児童を比較した調査では、シンガポールの子どもの30%がすでに近視になりつつあったのに対し、オーストラリアでは近視の兆候があった子どもは、わずか1.3%だった。

 両国に在住する中国系の子どもたちについても調査したが、結果は同様だったことから、研究チームは民族的要素が原因となっている可能性を除いた。

 一方、両国を比較して最も著しく違ったのは、屋外で過ごす時間の長さだった。シンガポールの子どもが毎日外で過ごす時間が平均30分だったのに対し、オーストラリアの子どもたちでは毎日平均2時間だった。

 また、読書やテレビを見る時間、コンピューターゲームで遊ぶ時間などは差がなかったことから、スクリーンのちらつきが子どもの目に悪影響を与えるという説は覆された。

 豪政府はARCに資金提供し、視力に関する長期研究を行っている。(c)AFP