【9月3日 AFP】コロンビアのノーベル賞受賞作家ガブリエル・ガルシア・マルケス(Gabriel Garcia Marquez)氏(81)が1日、メキシコ北部の街モンテレイ(Monterrey)で開かれた学生やジャーナリストが集まったセミナーで、ジャーナリズムを「最高の職業だ」とたたえた。

「物語の中に宝石を見つけると楽しいが、言葉が下手な使われ方をしているのを見るとつらくなる」と話すマルケス氏の、最初の職業はジャーナリストだ。だが、公の場で発言することは珍しく、話すことを避けるため書くとしばしば語っているほど。そんな彼が、この日のセミナーで「ジャーナリストほどすばらしい仕事はない」と話した。

 ただ、現代のジャーナリストは仕事にあまり時間がかけられないことが残念だと言う。「プレッシャーがかかっていると、考える時間がなくなる。そして次の日、こうすれば良かったと後悔するんだ」

 そのため編集者や記者に電話して議論するのが非常に苦痛だという。「それなら本を書いていたほうがましさ」とマルケス氏。

 マルケス氏は、マジックリアリズムとして知られる表現法を一般に広めたことで知られる。1982年にノーベル文学賞を受賞。『百年の孤独(One Hundred Years of Solitude)』、『コレラの時代の愛(Love in the Time of Cholera)』、『予告された殺人の記録(Chronicle of a Death Foretold)』などの名作のほか、多くのノンフィクション小説や短編を書いている。

 セミナーの中でマルケス氏は、年内に「愛」をテーマにした新作を仕上げると断言。「それが最後の作品になるのか」との質問が出ると、マルケス氏は「それは絶対にありえない」と答えた。(c)AFP