【7月24日 AFP】スーダン西部のダルフール(Darfur)紛争をめぐり、同国の国家元首は大量虐殺と戦争犯罪、人道に対する罪などで、国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)に起訴されようとしている。そんなスーダンの砂漠をバイクで旅行し、すっかり魅了されてしまった3人の欧米人がいる。

 英国人1人とカナダ人2人のライダーは、ロンドン(London)から欧州を横断して中東に至り、アフリカに渡って南アフリカ・ケープタウン(Cape Town)までアフリカを縦断するという、2万4000キロにも及ぶ壮大なツーリングを敢行中だ。その途上にあるスーダン。美しい砂漠をわたり、星空の下で寝、地元民の温かいもてなしを受けてきた3人は、「スーダンは観光客にとって次のパラダイスになること間違いなし」と口をそろえる。

 イングランド銀行(Bank of England)から3か月の休暇をもらっているトム・スミス(Tom Smith)さん(25)は、「スーダンは数年後、観光に関しては、アフリカのほかの観光国と肩を並べるまでになっているだろう」と話す。

 スミスさんとカナダ人の友人2人は、英国人俳優ユアン・マクレガー(Ewan McGregor)とチャーリー・ブアマン(Charlie Boorman)がスコットランドからケープタウンまでバイクで走破したことに触発され、2年以上かけてこの旅行を計画した。3人も旅を通じてHIV患者のための募金を募り、これまでに数千ドルを集めている。

 3人はダルフール紛争に揺れる同国の治安情勢を危惧(きぐ)していたが、ナセル湖(Lake Nasser)をエジプトからフェリーで渡ってスーダン入りしたとたん、恐怖は雲散霧消した。

■見ると聞くとは大違い

 カナダ・トロント(Toronto)出身の医学生、タイソン・ブラスト(Tyson Brust)さん(30)は言う。「メディアは『戦争で疲弊した国』のイメージばかりを強調しているが、僕たちの経験でわかったことは、百聞は一見にしかずということ。ここは世界でも最も安全な場所の1つじゃないかな。ここの人々は信じられないくらい親切だ。みんなが僕たちを家に招き入れようとする。朝食や飲み物をごちそうしようとしてくれる」

 彼らのこのようなコメントは、米国の経済制裁を受けるとともにテロ支援国家と名指しされ、国家元首がICCに起訴されようとしている同国にとっては、心地よいかぎりだろう。

 同じくトロントの医学生、ヤレマ(Yarema Bezchlibnyk)さん(32)は、ナセル湖からスーダンのドンゴラ(Dongola)までの旅を「すばらしい。砂漠をわたる時、月面にいるかのようだ」と話した。(c)AFP/Jennie Matthew