【2月25日 AFP】膣内に注入するジェル状のエイズ感染予防薬を開発した米ピッツバーグ大学医学部(University of Pittsburgh School of Medicine)の研究チームは25日、インドのニューデリー(New Delhi)で開かれた国際学会で、薬の安全性を示す実験結果を報告した。

 エイズ感染者への有効な治療やコンドーム装着以外のエイズ予防策が確立されていない現状から、避妊を男性まかせにしがちな女性たちを感染から守るためのHIVウイルス殺菌剤の登場が待たれている。

 これまでに世界中で多数のHIVウイルス殺菌ジェルが開発されているが、有効性が確認されたものは1つもなく、HIV感染を促進するものまであった。今回の安全宣言により、ジェル状HIVウイルス殺菌剤の開発促進が期待される。

 研究チームを率いるSharon Hillier氏は、「テノホビルやHIV固有の化合物を含有したジェルは、HIVの感染を防ぐ効果がある」と語っている。

 同大の研究者は、ニューヨーク(New York)とインドのプネー(Pune)の、HIVに感染していない女性200人に6か月間、毎日または性交前にジェルを膣内に注入してもらい、さらにはコンドームの装着を徹底してもらった。

 その結果、肝臓、腎臓、血液への影響はないことが判明した。被験者の90%以上が「エイズ感染が防げることが立証された場合はこの薬をぜひ使いたい」と答えているという。(c)AFP