【2月21日 AFP】パキスタンのペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は20日、18日の総選挙で与党側が敗北したことを受け、辞任する意思のないことを表明し、各党に「調和のとれた連立」を求めた。一方、圧勝した野党側はムシャラフ大統領への辞任要求を強め、野党間での連立を模索している。

■政治生命危機も「前進あるのみ」

 ムシャラフ大統領は米ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)紙とのインタビューの中で、辞任するかとの質問に対し、「まだ辞任しない。パキスタンに安定した民主的な政府をもたらすため前進しなければならない」と語った。

 また、ムシャラフ大統領は、同国を訪問中の米議員らとの会談の中で、パキスタンの平和的統治や発展、進歩のために調和のとれた連立が必要だと強調したという。この発言は会談後の外務省の声明で明らかになったもので、同大統領による総選挙後初の公式なコメントとなった。

 18日の総選挙は、与党側が圧倒的な大差で敗北し、ムシャラフ大統領は政治生命の危機に立たされる結果となった。

■シャリフ元首相は辞任要求
 
 下院第1党となった暗殺されたベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相のパキスタン人民党(Pakistan People's PartyPPP)議会派の共同総裁、アシフ・ザルダリ(Asif Zardari)氏は、ムシャラフ大統領派と協調する考えはないとした。

 また、第2党のパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(Pakistan Muslim League-NawazPML-N)を率いるナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相は、ムシャラフ大統領の辞任を求めた。さらに、PPPは声明を発表し、ムシャラフ大統領は大統領派が総選挙で敗北した場合は、辞任すると述べていたことを指摘した。(c)AFP/Danny Kemp