【2月14日 AFP】第58回ベルリン国際映画祭(The 58th Berlin International Film Festival)で13日、コンペティション部門に出品された山田洋次(Yoji Yamada)監督(76)の『母べえ』が上映された。

 第二次大戦時の日本の軍国主義がもたらしたものを冷静に見つめた作品。昭和15年の東京を舞台に、戦争反対を唱えたために治安維持法で獄中にいる夫に代わり、吉永小百合(Sayuri Yoshinaga)演じる母親が娘2人を必死に守り抜く姿が描かれている。ファミリードラマの形で、戦争で命を奪われた人々、広島・長崎への原爆投下という悲劇にも焦点をあてている。

 原作者は、40年以上にわたり黒澤明(Akira Kurosawa)監督のスクリプターを務めてきた野上照代(Teruyo Nogami)。

 上映後の記者会見で山田監督は、「あの悲しい時代の映画はもっとないといけないと思う」と語り、日本人はあの時代の出来事を忘れるかごまかしてしまおうとしているが、歴史を忘れた人間は同じことを繰り返すことになりがちだと指摘。わたしたちは過去から学ばなければならない時代にいると強調した。

 さらに、今の日本は平和憲法にもかかわらず危うい方向に向かっていて、多くの日本人がそれを批判的に見守っている、と述べた。そして、日本や海外の人々がこれを観て何かを感じてもらえればとコメントした。(c)AFP/Giles Hewitt